
ドイツの永住ビザを取ろうと思ったら必須のドイツ語クラスだよ!
ドイツ人と結婚して、とりあえず当面はドイツに住むことになった管理人のみやこです。
ドイツに住むにあたって、どうしても避けて通れないのが『ドイツ語の勉強』ですよね
ありがたいことに、ドイツ人と結婚した配偶者には「Integrationkurs(インテグレーションコース)」を補助金ありで受ける権利がドイツ政府から与えられます。
今回のブログはこのIntegrationkurs(インテグレーションコース)について、全体スケジュールや料金など気になることについてまとめておきます。
外国人局から手紙が来るよ
外国人局にVISA申請などが終わると、郵送で手紙と下記のような用紙が送られてきます。
Bestätigung über die Verpflichtung zur Teilnahme am integrationskurs
(統合コースに参加する義務の確認)

受講資格証明書と言ったところでしょうか。
手紙にどんなことが書いてあるか、詳しくは以前書いたこちらのブログをお読みください。
こちらの手紙はドイツの「移民法」という法律にもとづいて送られてくるものですが、手紙が来た全員が必ずIntegrationkurs(インテグレーションクラス)を受講しないといけないかというとそうではありません。
今後もドイツに住み続けるための永住VISAが欲しい人は、VISAの更新時点で下記の2つが必要です。
・Leben in Deutschland(LID)テストの合格証
ドイツに来た時点で既にB1以上の言語能力がある方は、個人的にB1レベルのテストを受け、それ相応の証明書を持って移民局と話せばOKかと思われます。
ご参考までに、下記のような種類のテストが有効です。
・telc Deutsch B1 / Zertifikat Deutsch(ZD)
・Goethe-Zertifikat B1
Leben in Deutschland(LID)のテストは基本的には100時間の授業とセットで受ける認識なので、ドイツ語が話せてもこの授業だけは必要になる可能性があります。
ですが自己勉強のみでテストを受けたという方のブログも見たことがあるので、ご希望であれば移民局へ問い合わせるとよいかと思います。
そして永住VISAの取得を希望していない方はIntegrationkurs(インテグレーションクラス)を受ける必要はありません。
手紙を無視して罰金になるのも良くないので、その趣旨を移民局に伝えればOKかと思います。

つまり今後もドイツに住みたいけど、ドイツ語が話せない人は必ず受けるべきクラスだよ!
ドイツ政府が出している公式文書
ドイツ政府が出しているIntegrationkurs(インテグレーションクラス)の説明についての公式文書が下記より日本語版でダウンロードできます。
↓
BAMF – Bundesamt für Migration und Flüchtlinge – Infothek – 参加を義務づけられた新しい移民と古い移民の統合コースに関する情報シート – 630.036m
日本語資料の直接リンク
Herunterladen(Japanisch)

詳細な説明はここに書いてあるから、一度読んでみるといいよ!
どんな人がインテグレーションコースを受けられるの?
インテグレーションコースはドイツ国外から移住してきた人であれば、基本的には誰でも受けることが出来ます。
ドイツの居住許可証(滞在ビザ)は必要です。
(つまり観光目的の3か月以内の旅行などでは受けることは出来ません。)
ただしドイツ政府からの『補助金あり』で受けられる人は限定されています。
先ほどのBAMF=ドイツの連邦移民・難民局(Bundesamt für migration und flüchtlinge 略称:BAMF)のサイトには、対象者の細かい規定などは載っていません。
なので私の周りで補助金ありで受けられている人について参考までに書いておきます。
・配偶者がドイツ人の人
・ドイツでの就労を目的として移住されてきた人、またその配偶者
・(日本人では無いですが)難民指定された国からの移住者
・日本企業からの転勤で来ている人、またその配偶者
・留学で来ている人
・パートナー(恋人)がドイツ人の人
上記であげたのはあくまでも「私の周りの例」です。
というのもドイツでよくあるのが住んでいる州や担当した担当者によって対応が異なるというものです。
他のサイトの質問箱では転勤妻なのにインテグレーションコースの手紙が来たというものも見ました。
また婚姻関係が無く事実婚のパートナーでも、付き合っている年数によっては配偶者と同様の対応を受けられる場合もあります。
もし補助金ありでインテグレーションコースを受けたい場合は、根気強くお住いの外国人局の担当者とかけあってみてください。
Integrationskurs(インテグレーションコース)の構成
Integrationkurs(インテグレーションコース)の構成は、
A1.1(アーアインツ プンクト アインツ)からB1.2(ベーアインツ プンクト ツヴァイ)まで計600時間のドイツ語授業を受講し、Deutsch-Test für Zuwanderer (DTZ)のB1テストの合格を目指します。
全授業が終わったら、B1のテストを受けることを並行しつつ、ドイツの政治や基本的な生活の情報を学ぶOrientierungskurs(オリエンテーリングコース)を100時間受講し、Leben in Deutschland(レーベン イン ドイチュランド)テストの合格までで目標達成です。
② A1.2(Modul2)100時間
終了後、形式的なA1テスト
③ A2.1(Modul3)100時間
④ A2.2(Modul4)100時間
終了後、形式的なA2テスト
⑤ B1.1(Modul5)100時間
⑥ B1.2(Modul6)100時間
終了後、DTZ B1テスト
⑦ Orientierungskurs(Modul7)100時間
終了後、Leben in Deutschland(LID)テスト
合計で700時間の授業が基本です。
※A1.1からB1.2までは「集中講座」もあるので430時間での受講も可能です。
ひとつのレベルの単位はModule(モジュール)と呼ばれています。
A1、A2の区切りのテストにあえて「形式的な」とつけたのですが、ここは合格・不合格の概念が無く、どんなに出来が悪くてもそのまま次のレベルに進むことが出来てしまうことがほとんどです。
学校によっては次のクラスに進ませないこともあるかもしれませんが、受講許可証をもらった私たちはドイツ政府からの補助料金価格で授業を受けているので、追加授業は一般価格になってしまうはずです。
(なのでどんなにデキが悪くても次に進めはずです。)
学校によってはテストすらやらないこともあるかもしれません。
(私の行っていたVHSはテストは一度もありませんでした!)
なお自己判断で、自分で同じレベルのクラスを何度も受けることは可能です。
ただし追加分のクラスの授業料は後から説明する割引料金にはならず、すべて一般価格の実費負担になります。
最後のB1の試験だけ具体的な点数(A2レベルか?B1レベルか?の採点)があるので、ここでB1レベルがもらえないと不合格という扱いになります。
最後のOrientierungskurs(オリエンテーリングクラス)(Modul7)はドイツの政治や文化を学ぶ授業です。
ドイツ語がある程度話せないとディスカッションが出来ないので、B1.2(Modul6)の授業が終了してから受けないといけません。
ただしDTZ B1テストを受ける前やB1テストに合格していなくても受けることが出来ます。
Orientierungskurs(オリエンテーリングクラス)(Modul7)が終わったら、Leben in Deutschlandテスト(略称:LID)の試験があります。
Integrationskurs(インテグレーションクラス)はどこで出来る?
Integrationskurs(インテグレーションクラス)はドイツ国内でドイツ語を教えてくれる学校や教室で、定期的にクラスを開講しています。
代表的なのはVHS(Volkshochschule(フォルクスホッホシューレ) 略称の読み方はVHS(ヴェーハーエス)というドイツの各市町村が運営しているカルチャースクールのようなところでクラスが必ずあります。
または、民間企業が経営しているドイツ語学校でもIntegrationskurs(インテグレーションクラス)の提供をしている学校もあります。
VHSと民間の学校(プライベートスクール)との違いや選び方などは下記のブログをご参考にしてください
Integrationskurs(インテグレーションコース)の期間は?
前項目の説明のとおり、Integrationskurs(インテグレーションコース)はいろいろなところで開催されているので、スケジュールがうまく組んである学校であれば、最短で7か月程度でA1.1からB2.2までこなすことが出来ると思います。
例:1日4時間の授業を平日のみの週5日。
約20日程度の夏休み or 冬休みを含む
そのあとのOrientierungskurs(オリエンテーリングクラス)の100時間受講と、Leben in Deutschland(レーベン イン ドイチュランド)テストを考えると、全体を通して最短で8カ月程度の期間になると思います。
もちろん日々の授業が理解できたうえでB1のテストが順調に合格できた場合の話です。
B1テスト不合格時には、不合格のレベルに応じてプラス300時間程度の追加授業を勧められる可能性があります。
(例えば、B1テストに合格できず「A2レベル」と判断された場合は、A2.2、B1.1、B1.2の各100時間の合計300時間をもう一度受け直すことになります。)
またテスト結果が返ってくるまでに1、2か月は待つので、結果まで分かるのは最短10か月程度と考えてください。
※2023年現在、私は結果返却まで5か月間待ちました。
クラスメイトは6か月待っているので、難民等が多い時期は時間がかかります。
そして注意してほしいことが!
ドイツの夏休みや冬休みは企業でも1か月程度と長いので、スケジュールをうまく組まないと1モジュールが3か月にわたることもあります。
管理人みやこがスケジュール組みで苦労した話もご参考にしてください。

FrauenKurs(フラウエンクラス)というお子さんがいるお母さんのためのクラスもあったりして、進捗がゆっくりなクラスも選べるよ!
あと学校に入る前はだいたいレベルテストがあるから、その点数によっては飛び級できるよ!
ちなみに私は1モジュール飛べてA1.2からスタートしたよ!
Integrationskurs(インテグレーションクラス)の申し込みは?
前項で書いたように、まずは学校を決める必要があります。
ポイントは、
・自分が通いやすい場所
・自分が通いやすい時間のクラスがあること
・いつまでにすべてのモジュールが終わるのか
などを考慮して考えるのが良いと思います。
次の項目で詳しく書きますが、外国人局からの手紙がある限りはどこの学校へ行っても料金は一律です。
また全てのモジュールを通して同じ学校に通うことが基本です。
(引っ越しなどの特定の事情は考慮されます。)
全モジュールを一括で申し込む、というよりは、どの学校でもモジュール毎の申し込みになると思います。
自分のスケジュールに合わせて申し込みをしてください。
(例えばA1.2が終わったあとに次のモジュールを申し込まないで3か月日本に帰るぞー!などもアリです)
しかしながら難民の方が多い時期はすぐにクラスの定員が埋まってしまうこともあるので、各モジュール(クラス)への申し込みは早めに行うことをおすすめします。
またDTZ B1テストもLeben in Deutschland(LID)のテストも別途で申し込みは必要なのでご注意ください。
※テストの申し込みは学校でできると思いますので一緒に聞いてみてください。
個人的な意見としては、なるべくお休みを明けないで、全モジュールを通しで行うことがおすすめです。
そうするとずっと同じ先生がクラスを担当してくれる場合も多かったり、クラスメイトもほぼ変わらない場合も多いので、クラス替えのたびに人に慣れるというストレスを感じることなく勉強ができます。
Integrationskurs(インテグレーションクラス)の料金は?
Integrationskurs(インテグレーションクラス)はドイツの連邦移民・難民局(Bundesamt für migration und flüchtlinge 略称:BAMF)が一部の料金をサポートしてくれるので、料金は一般的な言語学校に比べるとかなり割安であると言われています。
2023年の時点でVHSではA1.1の1module(合計100時間)の料金が229€です。
※2022年は220€でしたので値上がりしたようです。
※この金額もドイツ政府の文書に書いてあります。
Herunterladen(Japanisch)
私の通っているVHSのホームページ上での一般料金は、1モジュールあたり『458€』です。
他の地区のVHSや民間、私立の学校によってはもっと高かったり安かったするかもしれません。
しかしながら外国人局から来ている「Integrationskurs(インテグレーションクラス)受講許可証」がある人は、一律で229€になります。
つまりドイツ政府が一般料金の半分ほどを肩代わりしてサポートしてくださるようなイメージです。
なお、クラスには全額実費で通っている方ももちろんいるので、授業料の話にはご留意くださいね
日本円で考えてみましょう。
1時間は2.29€
現在のレートは1€=約140円なので、1時間約320円です。
一回の授業はだいたい4時間なので9.16€=1回約1,280円。
1モジュールは100時間で229€で約32,000円
7モジュールだと1,603€=約224,500円
つまりすべて終えるのに約22万円強!!!
※DTZ B1のテストは3回まで、Leben in Deutschlandのテストは1回までは無料です。
たしかに授業1回あたりの料金が1200円程度と考えると日本でドイツ語のクラスに通うよりはかなり安いけど…
でも700時間もあると必要経費としてはちょっと高いですよね!!(泣)
また2021年の他の方のブログでは1モジュールが195€と見たので、年々値上がりしています。

しかも今は円安だから高く感じる!
こればかりはしょうがないか…
授業料が半額返金されるってほんと?
「Integrationskurs(インテグレーションクラス)受講許可証」の有効日付から2年以内に7モジュールまで終えて、DTZ B1テストとLeben in Deutschland(LID)テストまで合格すると、必要な手続きをすることで、先に払った授業料が半分返金されます。
先ほどの7モジュール=約22万円から半分だと10万円強戻ってくる計算になりますね
つまり期間内にプログラムを終えれば、トータル金額は10万円強で完了できるということです!
私の学校(VHS)ですと、一般料金で全額自腹で通っている方が45万円ほどかかっているのに対して、その半分の金額を支払って、かつ半分が返金されるので、10万円程度で全授業が完了するのです。
ほんとうに高い税金を払ってくださっているドイツ国民の皆様に感謝いたします。

けっこう大きな金額だから、できれば2年以内にがんばって半額返金を目指したいよね!
ですがもちろん、生活スタイルによってはゆっくりと学校に通いたい場合もあると思いますので、次の項目も参考にしてください。
インテグレーションコースはすぐにスタートしなきゃいけないの?
インテグレーションコースの受講許可証が送られてきた時の手紙には、「6か月以内に始めないと罰金」と書いてありますが、実際はそこまで厳しい取り締まりは行使されない印象です。
またドイツの永住ビザを希望していない方は、そもそも受けなくても大丈夫です。
この辺に関しては別の記事で詳しく書いていますので、ご参照ください。
2年以内に合格しないといけないの?
受講許可証の発行日から2年以内の合格は、あくまでも半額返金をターゲットにした時の期限です。
出産や子育て、介護、お仕事、勉強などいろいろな事情で2年を過ぎたあとに合格していなくても問題ありません。
あくまでも半額返金を目指したい方は、2年以内で終えられるように学校選びなどを工夫してください。
結局インテグレーションクラスってなんなんだ?!

じゃあ結局インテグレーションコースってなんなんだ?!と言うと、初めの項目で書いたように「永久ビザが欲しい人は、がんばってそれまでにB1とドイツ生活のテスト終わってね」ということです
ドイツ人と婚姻している人は1年~3年ごと更新のビザをはじめに付与されると思います。
噂では2回ぐらいの更新は問題なくできて、3回目ぐらいから永住ビザに…という流れなので、数年間は合格までの猶予があります。
それにおそらくドイツ人と婚姻関係がある場合は、ビザが更新できないから国外退去!というような最悪な処置にはならないと思うので、結局いつまでもインテグレーションクラスに合格しなくてもドイツには居続けられるのではと思っています。
でもビザの更新にはお金もかかるので、やはり永久ビザをとってしまうほうが楽ですかね
まとめ
今回はIntegrationskurs(インテグレーションクラス)についての情報を管理人なりにまとめてみました。
ポイントは下記です。
②最短で8か月程度で完了
③2年以内に合格できれば費用は10万円前後
④でも結局は永住ビザが欲しい人がやるものだから、やらなくてもいい
実は管理人はIntegrationskurs(インテグレーションクラス)の存在を全く知らず、ドイツに来てから初めてこの制度を知りました。
そのためいろいろ分からないことも多く、学校に行く前の段階からいろいろとてこずり、泣くことも多かったです…。
自分が分らなかったことも含めて情報を書いているつもりですが、もしご不明点があればお気軽にコメントを頂ければ返信いたします。
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慣れない異国の地…一緒にがんばりましょう!!
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