彼氏から「婚前契約書を作りたい」と言われたんだけど、よく分からないよ!
パートナーから「婚前契約書を作りたい」と言われたらどう思いますか?
まず『婚前契約書』って何だろう⁈と思いますよね
英語では「プレナプシャル・アグリーメント(prenuptial agreement)」と言い、「プレナップ」とも略されているようです。
普通に考えれば「結婚する前にお互いが決めるルール…」っぽいニュアンスは感じますが、実際の中身はどんな内容が盛り込まれるのか?
法的な拘束力はあるのか?
そもそもなぜあなたのパートナーは作りたいと言ってきたのか?!
今回は日本でも徐々に話題になっている『婚前契約書』を実際に製作し法的に保管してもらっている管理人みやこが思う、婚前契約書とはなにか?について書こうと思います。
私は外国人との国際結婚ですが、日本人同士の方の結婚でも参考にしていただける内容です。
外国人パートナーが婚前契約書を作りたいと言ってきた!
まずは私がなぜ婚前契約書を作ったのかに触れておきたいと思います。
私がドイツ人のカニさんと付き合って12年経った頃、いろいろきっかけがあり、ついに入籍をしようという話になりました。
私が単純に「ドイツ人と婚姻届の出し方」をググっていた頃、カニさんが言いにくそうに「婚前契約書」を作りたいと言ってきました。
聞けばカニさんのドイツ人の友達のお父さんは、ドイツ人の奥さんと離婚する際にこの婚前契約書を作っていなかった為に、待遇や金銭面で大変なことになったそう。
それで私との結婚の前にも婚前契約書を作っておきたいと思ったそうです。
結婚する前に離婚のことを考える?!外国人の感覚
まず私の感想は「結婚する前に離婚の事を考えるって、それって別れる未来もあるってこと⁈」というネガティブな感情でした。
結婚=幸せなゴール と考えて、フワフワした未来に浮かれていた私と同じような感情を持つ方は多いのではないでしょうか?
「離婚する可能性が少しでもあるなら結婚なんかしないほうがいいじゃん…」とモンモンとする日々が続きました。
また私の周りには、日本人はもちろん、外国人と結婚した友人でも婚前契約書を作った人はいませんでしたので、これが何物かもよく分かりません。
しかしながらカニさんと結婚するには、この婚前契約書の問題を片付けないと先に進みませんので、いろいろ本を読んだり、ネットサイト等で自分なりに調べてみました。
そこでなんとなく分かったことは下記のことです。
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婚前契約は日本ではまだ一般的ではないが、元々ヨーロッパが起源とされており、それが世界に伝わったとされている 。
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ドイツでは結婚は簡単だが、離婚は必ず弁護士を立てて裁判所で行われるため、泥沼化することが多い。
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裁判になった時に揉めないように、事前に「明文化」しておくのが「婚前契約書」
まぁそれでドイツ人のカニさんが作っておきたいと言ったのも分かる気がする…。
でもやっぱり離婚時の裁判前提で、なんとなく後ろ向きな気がしてしまいます。
しかも日本人よりはドイツ人のほうが婚前契約書を作っているカップルは多いかもしれないですが、実際に作ったという話は聞いたことがありません。
カニさんはエリートでバリバリ働いている人だから、危機管理に対する意識も高い!というのが結局一番の理由かも。
もう少し具体的に考える「婚前契約書」
もう少し、自分なりに婚前契約書のことを考えてみました。
婚前契約書は、カップルが結婚する前に結婚後の生活全般についてお互いの認識の齟齬(そご)が無いように取り決めておくものです。
たとえパートナーが外国人でなくたって、生まれてから全く違う家族や環境に囲まれて成長してきた二人ですから、自分は当然と思っている考えが、相手にとっては不自然であることもあると思います。
不自然なレベルならまだしも、その考えが許せない場合もあるかもしれません。
そういった考えの差を事前に洗い出して、問題になりそうなところは二人でルールを作って明文化していく…それが婚前契約書だと私は思います。
明文化しておくのはお金や資産のことだけじゃないのね!
婚前契約書にはどんな内容を書く?
婚前契約書には決まったフォーマットがあるわけでは無いので、書く内容は完全に自由です。
そのぶん、何を書けばいいのか範囲が大きすぎて迷うと思いますので内容の例をあげておきます。
◆ 家計の運用方法について
◆ 親との同居や介護について
◆ 離婚時の慰謝料について
◆ 離婚時の財産分与について(資産、家や車、ビジネス等)
◆ 子供の親権について
実際に内容に盛り込むことは、夫婦によって様々です。
夫婦の数だけ、婚前契約書の内容も十人十色だよ!
婚前契約書に法的な拘束力はあるの?
実際に夫婦関係でいざこざが発生した場合や、離婚裁判や調停になった場合に婚前契約書の内容が尊重されないと意味がないですよね!
婚前契約書は司法書士さんや弁護士事務所にお願いして、法務上正しい文言で作成し、公正役場で承認してもらい、正規の文書として保管することで法的な拘束力を持ちます。
ですが自己作製、自己保管でも法的拘束力はあるそうです。
※厳密に有効になるかどうかは内容や書き方にもよると思います。
結論:婚前契約書を作るのは、より相手のことを理解するため
初めは「結婚前に離婚の話なんて、縁起の悪いものだなー」と思っていましたが、実際に婚前契約書を作ろうと思ってパートナーと話すと、10年以上付き合っていた間柄でも「え?そんな考えなの?!」と驚くことが多く、「こんなに不明確な状態で結婚したら、そりゃ不仲にもなるよね」と思うことが多かったです。
また親しき仲にも礼儀あり…の日本人精神で、実はパートナーの貯金額や資産を知らない場合は多いです。
(結婚した後も知らないカップルは多いかも。。。)
借金の有無なども含めて、相手の資産状況を把握しておくことはこれから一緒に生活していく上では必要なことだなと思います。
つまり婚前契約書は、「離婚をした時の備え」ではなく「離婚をしないための備え」だと思いました。
婚前契約書を作るために今まで以上にコミュニケーションをとることができ、お互いの考えも改めて深く知ることができたので、作成に費やした時間も有意義なものでした。
日本人にももっと婚前契約書が定着したらいいと思います!
コメント
はじめまして。
コメント失礼します。
ドイツ人の彼との結婚にあたり、ブログを楽しく拝見、参考にさせていただいております^^
私たちも婚前契約書を作ろうとなり
調べているのですが、
国際結婚の場合の情報があまり入手できず質問させてください。
ドイツ語か日本、どちらの国で作られましたか?
ブログを読んで頂きありがとう御座います!
肝心の婚前契約書の作成から申請までの話が書けていなくてすみません…^^;
コメントを頂き、需要があることはわかったのでいつか纏めたいと思います。
私は日本で作成し、日本の公証役場に保管してあります。
日本人の行政書士さんと作成し、日本の公証役場で承認してもらい、ドイツ語の認証翻訳と共に同じ公証役場に保管してあります。
なにかあった場合(笑)はこの原本をドイツ本国に持ち込めば、ドイツの裁判でも有効に使えます。
日本で作った理由は圧倒的にコスト面です。ドイツで作るととても高額になると思っていました。
私たちの場合は全ての費用(行政書士、認証翻訳、公証役場)で15万円位でした。
(ですがこの金額がドイツ価格より安かったかは謎です。)
簡単なご紹介でしたが、お役に立てれば幸いです!
(このコメントを見に戻ってきて頂けるといいのですが…)